2013年2月6日水曜日

映画『銀輪』




実験工房展の第2会場 鎌倉別館では、映画『銀輪』を上映しています。

写真は、映画『銀輪』のセットです。

 

学芸員から> カラーの特殊撮影がみどころ。ハンドルや車輪が飛んでいるシーンが面白いです。

 

 

実験工房にまつわるコトバ解説>> Ⅱ.「実験工房の時代 1951-1957より

映画『銀輪』

1959年 新理研映画製作

監督:松本俊夫/協力:矢部正男、樋口源一郎/

企画:日本自転車工業会/脚本:松本俊夫、北代省三、山口勝弘/

撮影:荒木秀三郎/美術:北代省三、山口勝弘/

音楽:武満徹、鈴木博義/特殊撮影:円谷英二

 

*本展で上映するDVDは、35㎜オリジナル・ネガより、2009年に松本俊夫監督の監修によりデジタル復元を行い、三色分解白黒ネガに焼き付けたのち、光学合成したプリントより複製したものである。

 

新理研映画に在籍していた松本俊夫(1932-)と出会った北代省三、山口勝弘は、当時松本が企画した日本自転車工業会PR映画『銀輪』の制作にシナリオ執筆の段階から参加する。少年の夢の中に憧れの自転車の世界が繰り広げられる、という設定に基づくこのカラー作品で、北代、山口は絵コンテ、美術を担当、なだらかに地平線が広がる幻想風景や、自転車のパーツが空中を浮遊し運動を繰り広げるシーンなど、随所に彼らの造形作品に通じる感覚がちりばめられた。特殊撮影は円谷英二。サウンドは武満徹、鈴木博義による鳥の鳴き声を素材にしたミュジック・コンクレートが使われた。長く所在不明となっていた本作品は、海外向けに再編集されたヴァージョンのネガが2005年に再発見され、発色を補正したデジタル復元版が2009年に作成された。